Linuxの普及促進を目指す非営利団体Open Source Development Lab(OSDL)は,企業のデスクトップLinuxに必要とされる機能を文書化してまとめた「Desktop Linux Capabilities version 1.0」を米国時間2月14日に発表した。同ドキュメントは,企業におけるLinuxデスクトップの普及を目的としてリリースされたもの。主要業界ベンダー,エンド・ユーザー,開発コミュニティの参加によって作成された。

 「OSDLは,企業のデスクトップにおけるLinuxの普及促進に注力している。ITベンダー,ITマネージャ,Linux開発コミュニティが将来のLinuxデスクトップに必要とされる機能について論じ,定義するフォーラムを開催している。Linuxコミュニティと業界の参加を歓迎したい」(OSDLのCTOのTim Witham氏)

 同ドキュメントは,現在OSDLに参加するメンバー企業が企業のデスクトップ・ユーザーに調査を行なって作成したもの。基本的なオフィス機能を必要とするユーザー,取り引きを扱うユーザー,技術的なワークステーション,固定されたジョブを遂行する4つのタイプのデスクトップ・ユーザーの要件に対応する機能を定義している。

 また,デスクトップLinuxの機能は,ハードウエア・サポート,オペレーティング・システム・サービス,アプリケーション・サービス,システム・セキュリティ,ネットワーク・サービス,ブラウザ,インストーラ,アクセシビリティの8つに分類されている。

 Desktop Linux Working Group Steeringの会長であるJ. Craig Manning氏は「企業のLinux導入は,Linuxで利用できるISVアプリケーションの数に直接的に結びついていることが分かった。同ドキュメントのリリースは,将来的に組み込む機能に関して,フィードバックを求めるオープンなプロセスをサポートするものである」と説明している。

 OSDL Desktop Linux Capabilitiesは,OSDLのWWWサイトから無償で入手可能となっている。

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