米Verizon Communicationsが米MCIを約53億ドルで買収する。両社は合意に達したことを米国時間2月14日に発表した。Verizon社は47億9500万ドル相当の株式と4億8800万ドルの現金を支払う。

 両社は,これにより「MCI社のインターネット・バックボーン・ネットワークを強化および維持する経済力を備えるサプライヤとして,消費者および企業に対応する。Verizon社の企業向けサービスの競争力を高め,無線や高度IPサービスといった幅広いサービスを大企業や政府機関に提供できる」としている。

 MCI社の株主は,MCI社普通株1株につきVerizon社普通株0.4062株と現金1.50ドルを受け取る。2月11日の終値で換算すると,Verizon社株0.4062株は14.75ドルに相当する。さらにMCI社は同社株主に,四半期ベース配当と特別配当を合わせて1株あたり4.50ドルを支払う。

 これらすべてを合わせると,買収に伴うMCI社株の取引総額は1株あたり20.75ドルで,合計67億4600万ドルとなる。なお,Verizon社はMCI社の負債も引き継ぐ。

 両社は,1年以内にMCI社株主と当局の承認を得て,取引を完了したい考え。なお,両社役員会はすでに承認済みだという。

 両社は,今回発表した買収が主に以下のメリットをもたらすと説明している。

・企業向け事業:ほとんどの市場において大規模な既存地域通信事業者に対抗できる競争力を備えるようになる。より効率的な経営構造によって幅広い顧客ニーズに応えるサービスを提供し,MCI社グローバル・ネットワークの長期的な活用と強化を進める。

・消費者向け事業:無線/有線ブロードバンド・ネットワークおよびサービスの展開を促進する。十分なキャッシュ・フローと資本により,米国インターネット・ユーザーを支える強力なバックボーンを保持し,より品質の高いサービスを提供するために追加投資を行う。

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