米Microsoftは,インターネットのセキュリティと安全性に関する意識を高めさせるプログラム「Web Watchers」の発足を米国時間2月9日に発表した。初等教育の中学年から中等教育の生徒,またその家族の意識向上を支援する。

 同プログラムでは,教師向けに,生徒がインターネットの便利さと危険を理解するのを支援するカリキュラムや教材を提供する。また,保護者や生徒にもインターネット・セキュリティに関する情報を提供する。

 Web Watchersは,Microsoft社と米ADMがスポンサとなり,その他のパートナ企業との提携を通じて提供される。オンライン・セキュリティに注力するMcAfee社,NetZero社,Cox Communications社,Comcast社,CyberSmart! Education社などがパートナとして参加している。

 同日より,同プログラムのWebサイト(www.WebWatchersOnline.com)から教材の提供が開始される。同サイト上には,教師向けのコーナー「Teachers Corner」が設けられ,CyberSmart!社が開発したカリキュラム,ガイド,アクティビティ・ブック,その他のリソースが提供される。教師は,これらをダウンロードして利用することができる。

 また,プログラムの一環として,学校が新しいコンピュータ・ハードウエア,ソフトウエアの購入資金として1000ドル,または5000ドルを獲得できるキャンペーンが実施される。サイトにアクセスすると,生徒とその家族がコンピュータをより安全に利用できるためのヒントを提供するガイドが4分間流される。ガイドを見終るとキャンペーンに参加するためのフォームが表示され,そこから応募することができる。応募は3月31日まで受け付けられる。

 インターネットの安全性とセキュリティは,実社会における多くの問題を反映しており,ProtectKids.orgによれば,17歳未満のインターネット・ユーザーの5人中1人は,過去1年間にオンライン上で性的なコンテンツに関する広告を目にしているという。また,CBS 2 Special Reportによれば,4年生から中学3年生の半数以上が,オンラインでいじめに遭ったと回答している。

 Microsoft社 Education部門ジェネラル・マネージャのAnthony Salcito氏は,「インターネットは,子供にとって教室外で学習,共有,またコミュニティに参加するための機会を提供する効果的なツールであるが,理解しなければならないリスクも持ち合わせている。同プログラムは,教師が生徒とその家族の意識を高めるのを支援し,インターネットを利用する際に正しい情報をもとに安全な判断ができるようにすることを目的としている」と説明している。

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