米BEA Systemsは,通信事業者向けの新製品,ソリューション,サービスの拡張を含む新しい構想を米国時間2月7日に発表した。

 同構想は,通信業界向けの新しいインフラ・ソフトウエア群の開発が基盤となっている。同構想のもとに提供されるスイート「BEA WebLogic Communications Platform」は,標準をベースとした製品群。汎用的なプラットフォームを利用して通信サービスを提供するために必要なコストと努力を軽減するために開発されている。新しいサービスの作成,提供により,通信事業者による売り上げ増収を支援する。

 具体的には,固定とワイヤレスの両方のネットワーク向けにVoIP,電子メール,カレンダリング,ピア・ツー・ピア・サービス,デジタル・コンテンツの配布,ビデオ・サービスといたサービスを構築,提供,管理するのを支援する。

 同社は同日,この構想において初めての製品となる「BEA WebLogic SIP Server」の提供開始を発表している。WebLogic SIP Serverは,標準をベースとするJ2EEサーバー。SIP(Session Initiation Protocol)に対応しており,SIP環境においてサービスの構築と配備を行なうために設計されている。BEA WebLogic Serverを基盤として構築されており,通信事業者はネットワーク・インフラを標準ベースの技術で拡張することが可能となる。

 現在開発が進められている「BEA WebLogic Network Gatekeeper」は,ネットワーク・リソースに対してアクセスとQoSパラメータの定義,管理を行なうもの。コンテンツ課金,モバイル端末の位置情報,SMS,MMSメッセージ配信といったネットワーク機能のポリシーの定義と実行を行なうシングル・ポイントとしての役割りを果たす。

 BEA社は,同社の通信ソリューションである「BEA WebLogic Service Delivery」の開発と拡張も計画している。同製品は,オペレーションのサポート・システムに連結できる新しいデジタル,データ・サービスの開発,統合,導入を支援する標準ベースのフレームワーク。既存のネットワーク・インフラを利用して新しい売り上げを生成するサービスを迅速かつコスト効率よく開始するのを支援するという。

 また,同社のBEA Professional Servicesは,パートナのシステム・インテグレータ(SI)とBEA WebLogic Service Delivery Solutionユーザーが新しいサービスの構築,提供を行なう際にサポートするフレームワークを開発した。

 BEA WebLogic Communications Platform最初の製品であるWebLogic SIP Serverは1月28日より提供されている。2番目の製品となる同Network Gatekeeperは,2005年春にリリースが予定されている。

 同社は,先ごろ通信業界向けインフラ・ソフトを手がけるスウェーデンのIncomit社買収を発表している。

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