米Borland Softwareは,アプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)ツール群「Borland Core SDP(Software Delivery Platform)」を米国時間2月7日に発表した。同スイートは,設計,プログラミング,テスティング,アプリケーション要件定義の4つの工程を対象とした製品からなる。

 同スイートを構成するのは,「Core:Analyst」,「Core:Architect」,「Core:Developer」,「Core:Tester」。それぞれの製品は,ソースコード,モデル,アプリケーション要件といった関連する情報を共有することができる。

 コードネーム「Project Themis」として知られていたBorland Core SDPは,同社のALM製品の「CaliberRM」,「Together」,「JBuilder」,「StarTeam」,「Optimizeit」の技術と新しいクロスプラットフォーム技術を統合している。より効率的なソフトウエア開発のために協調的なアーキテクチャを提供する。アナリスト,設計者,開発者,テスターのそれぞれに最適化された作業環境を提供するが,プロセス上の役割りによって互いの機能,情報にアクセスすることが可能になるという。

 同スイートを構成する製品の主な特徴は次の通り。

・Core:Analyst
アプリケーション開発定義を行なうビジネス・アナリスト向け。ビジネス上の目的を,エンドユーザーのニーズ,法規制への順守,品質といったソフトウエア要件としてまとめる。ユーザーは,アプリケーション要件について話し合い,ユースケース,アクティビティの図表を作成できる。また,新しい要件の追加,プロジェクトの範囲,スケジュール,予算変更による影響の予測を行なう

・Core:Architect
アプリケーション設計のモデリング・ツール。ビジネス要件に変更が生じた場合にも,アプリケーション・ライフサイクルの全体を通じて,仕様,モデル,コードを同期できる。ユーザーは,UMLベースの設計図,クラス図を使って開発プロジェクト,コード中心型のモデルを作成できるため,開発チームに明確なガイダンスと方向性を与えることができる。ユース・ケースからコードまで要件のトレースができ,アプリケーションが設計と機能の要件に一致するかを知るための基準を設定できる

・Core:Developer
コードの作成と管理を行なう。開発チームは,開発を効率的に行なうために必要なすべての情報と機能に包括的にアクセス可能になる。開発者は,開発サイクル全体において,最新の標準,UMLモデリングの設計パターン,ソースコード・コントロール,ビルド,変更の管理,欠陥部のトラッキング,コード・ユニットのテスティング,プロファイリング,最新の要件などにアクセスできる

・Core:Tester
プログラムのバグと機能の検査を行ない,アプリケーションが機能,品質目標,法令順守が達成されているかを検証する。テスト・チームは,欠陥部のトラッキング,要件管理機能にアクセスできるため,最適なテスト範囲における検証の実施が可能になる。開発とテスティングのプロセスを統合することにより,ライフサイクルの早い段階で欠陥部を取り除き,性能,拡張性,信頼性の要件を満たすソフトウエアをスケジュールにあわせて作成できる

 同スイートは,第1四半期の後半に出荷が予定されている。ネットワーク・ライセンスに対応する。同製品の詳細は,同社WWWサイトに記載されている。

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