ドイツの鉄道会社Deutsche Bahnは,米IBM製「Lotus Notes」を使った社内システムをLinuxサーバーに移行する作業を完了した。IBM社がドイツで現地時間2月2日に明らかにしたもの。米Novellの企業向けOS「SuSE Linux Enterprise Server 8」を搭載したIBM社製サーバー「eServer zSeries 990」を使用する。

 Deutsche Bahn社では,社員5万5000人のメール・システムと,6.5Tバイトのデータを含む5500以上のデータベースをLotus Notesで管理している。

 Deutsche Bahn社は全社的なLinux移行を計画している。ドイツのITサービス・プロバイダDB Systemsが2003年に計画に着手し,「継続的なコスト削減,ベンダーに依存しない高い柔軟性をはじめ,統合しやすいなどのメリットにつながるとして,Deutsche Bahn社全体のサーバー・プラットフォームをLinuxに移行することを,2004年に最終決定した」(IBM社)という。2005年末には,データベース,アプリケーション・サーバー,Webサーバー,メール・サーバー,ネットワーク・インフラなど主要システムすべての移行を完了する予定。

 具体的には,ドイツSAPのエンタープライズ・アプリケーションや,販売支援システムなどの基幹アプリケーションを段階的にLinuxへ移行する。列車時刻表の情報システムはすでに米Hewlett-Packard(HP)社の「Non-Stop」プラットフォームから移行済みという。

 IBM社はDeutsche Bahn社のLinux移行プロセスにおいて,ソフトウエア/サーバーなど,技術プラットフォームにおけるベスト・プラクティスを提供し,サポートを行なう。

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