ルクセンブルクのSkype Technologiesがボイス・メール・サービスのベータ・テストを開始した。料金は未定で,「ベータ・テスト期間が終了する前に発表する予定」(同社)という。

 ボイス・メール対応のクライアント・ソフトウエア(ベータ版)は同社Webサイトからダウンロードできる。

 同社が現在提供しているIP電話サービスは,Skypeユーザー同士の無料通話,エンド・ツー・エンドの暗号化機能をはじめ,会議電話,コンタクト・リスト,インスタント・メッセージング,オンライン・プレゼンス,ファイル転送などの機能が利用できる。クライアント・ソフトウエア「Skype」を無償で配布しており,Windows版,Pocket PC版,Linux版,Mac OS版がある。

 有料サービス「SkypeOut」では,パソコンからインターネット接続を介して世界中の固定回線や携帯電話などに発信できる。「市内通話と同程度の料金で国際電話がかけられる」(同社)

 ボイス・メールのベータ・サービスでは,受け取ったメッセージを聞くと,そのとき使用しているパソコンに,メッセージが保存される。メッセージは最長60秒。受信通話をボイス・メールとして受け取るには,発信者が「Skype for Windows 1.1.0.61」以降,「Skype for Linux 0.94.0.1」以降,あるいは「Skype for Mac OS X 0.15.0.4」以降を使用している必要がある。発信者もボイス・メール対応Skypeを利用している場合,ユーザー・リストの名前の隣にカセットテープのアイコンが表示される。

 米メディア(CNET News.com)が2月2日に報じた記事では,Skype社は,どこからでもかけられる安価な新世代電話サービスの担い手として注目を集めているが,まだ安定した収入源を獲得していないため,競合社に大きな差をつける新サービスを開発するには経済的な問題があると指摘している。有料IP電話サービスを提供しているほとんどの大手プロバイダは,ボイス・メールを主力サービスの一つに据えており,すでに数年前から始めているプロバイダもある。しかし,Skype社共同設立者のNiklas Zennstrom氏は,「今のところ新たな投資家を求めてはいない」と,コスト面を案じていない発言をしている。

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[Skype社ボイス・メール・ベータ・サービスのWebページ]