米Lucent TechnologiesのBell Labs(ベル研)とフランスAreva Groupの子会社でコネクタ・メーカーのFCIは,米国時間2月1日に,「データ伝送速度25Gbpsの実証実験に成功した」と発表した。

 実験では,Bell Labが開発した新たな信号アーキテクチャとFCI社のコネクタ・システム「AirMax VS」を電気バックプレーンに用いた。「これまで実証されていた最大レートと比べ,2倍以上速い。これは,電気バックプレーン上での100GビットEthernet達成に向けた大きな前進だ」(両社)

 Bell LabsのPhotonic Networks Research部門ディレクタ,Martin Zirngibl氏は「100Gビット Ethernetが実現すれば,現在のデータ・ネットワークをさらに拡張し,映画の高速ダウンロード,遠隔医療,軍事用通信といった広帯域アプリケーションが可能となる」と説明する。

 Bell Labの信号アーキテクチャは,デュオバイナリ符号化技術を用いる。従来のアプローチとは異なり,ロールオフ特性を利用することで,明瞭な信号の受信を可能にする。高速バックプレーン伝送への同技術の適用は,2004年6月に米国電気電子学会(IEEE)が開催した国際シンポジウムで,Bell LabsのJeffrey Sinsky氏,Andrew Adamiecki氏,Marcus Duelk氏が初めて書類にまとめて発表した。
 Lucent社Network Hardware Integration Research部門技術マネージャのMary Mandich氏によれば「Bell LabsのPhotonic Networks Research部門は,すでに各種のレガシー・バックプレーン上の10Gbps伝送性能を実証しており,10GビットEthernet PHYに向けたIEEE 802.3ap規格の一部として同技術を取り入れる動きを支援している」という。

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