米Microsoftは,海賊版Windows XPに対抗する取り組み「Windows Genuine Advantage」を強化し,2005年後半からアップデータ提供サイトMicrosoft Download Centerとアップデート機能Windows Updateの利用時にWindows Genuine Advantageへの登録を義務付け,正規版かどうかの確認を全世界のユーザーに求める。Microsoft社が米国時間1月26日に明らかにしたもの。2月7日からノルウェー語版/チェコ語版/簡体字中国語版Windows XPのユーザーに同規定の適用を開始するなど,段階的に強化を図る。

 ただし,Auto Update(自動更新)機能でセキュリティ・アップデートを実行する場合は,Windows Genuine Advantageへの登録は必要条件としない。

 Windows Genuine Advantageは,英語版Windows XPを対象として2004年9月から試験的に運営している取り組み。登録者は,使用中のWindows XPが不正コピー品かどうか調べられる。これまで500万人以上のユーザーが自発的に登録したという。

 2月7日に開始する取り組みの内容は以下の通り。

・Download CenterでWindows Genuine Advantageに登録可能なWindows XPの対応言語を20言語増やす

・Download Centerで提供しているほぼすべてのコンテンツをWindows Genuine Advantageの対象とする

・ノルウェー語版/チェコ語版/簡体字中国語版ユーザーに,Download Center利用時の登録を義務化する。登録者の使用しているWindows XPが海賊版だった場合は,正規版を割り引き価格で購入できるようにする

・正規版を使っている登録者には,「Microsoft Photo Story 3 for Windows」「Winter Fun Pack 2004」の無償提供や各種サービス/ソフトウエアの割り引き,アプリケーション試用版の提供など,450ドル相当以上の特典を用意する

 「海賊版ソフトウエアにより,顧客,ソフトウエア・ベンダー,経済界に毎年数10億ドルの損失が発生している。海賊行為に対抗する最良の手段は,海賊版ユーザーに不正使用を認識させ,正規版ユーザーに多くのメリットを提供することだ」(Microsoft社Windowsクライアント事業担当上級副社長のWill Poole氏)

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