米Texas InstrumentsとフィンランドのNokiaは,携帯電話端末に関して提携することを現地時間1月24日に発表した。Nokia社は,TI社の「デジタルRFプロセサ(DRP)」技術をベースとするシングル・チップを同社が将来投入する携帯モデルに採用する。

 単一のチップに携帯電話機向け複数チップの機能が集約されることで,従来よりも小型で消費電力が低く,多機能な携帯電話機を低コストで製造できるようになるという。

 TI社は,デジタル・ベースバンド,SRAM,ロジック回路,無線周波数(RF)回路,電力管理,アナログ回路をシングル・チップに集積して2004年にサンプル出荷すると2002年に発表していた。最初のシングル・チップ・ソリューションは2004年12月にサンプル出荷が開始されている。

 新型のシングル・チップを組み込んだ最初の携帯電話機は,エントリー・モデルの携帯電話機市場をターゲットとする。生産量の多いエントリー・モデルに採用することで,価格の低下が期待できるという。特にインドや中国といった急成長地域で競争力の強化を狙う。

 米QUALCOMMは,2006年後半に携帯電話向けの機能を集約したチップを出荷する予定を前年11月に発表している。

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