米META Groupは,2005年における企業のIT支出に関する調査結果を米国時間1月19日に発表した。それによれば,2004年に5%増加した小売り業界のIT支出は,2005年には1%減少するという。支出予測が2004年の値を下回るだけでなく,全体のIT支出の成長予測である4~5%を大きく下回ることになる。

 2005年における企業全体のIT支出は,売上高に対して平均4%強になると予想されるが,小売業界は3%に留まると予測される。また営業経費に対する割合でみると平均が5%なのに対し,小売業界は4%になると予測される。

 同社によれば,小売り業界は,技術に対する支出に慎重になっている。平均的な企業は,従業員1人あたり1万4107万ドルの支出を予測しているが,小売業界では半分以下の6695ドルとなっている。また,小売業界では,IT関連の従事者数が他の業界と比べて少ない。平均的な企業のITスタッフは従業員全体のおよそ5%を占めているが,小売業界ではおよそ3%となっている。

 小売り業者の技術投資は,オンライン販売,物流管理,サプライ・チェーンの管理の領域に対して行なわれることが予想される。前年実施したデスクトップの置き換え,データ・センターの統合,ハードウエアとソフトウエアのネットワーキング,その他のインフラ技術への投資により営業経費が改善されている。削減された経費は,同年の技術投資に当てられるという。

 同社は,無線ICタグ(RFID)技術に対する支出は,全体的には大きな影響を与えることはないとみている。同社によれば,RFIDに投資するほとんどは米Wal-Mart Stores,米Targetといった大規模な小売り業者とそのサプライヤに限られている。

◎関連記事
「音声認識技術で小売業界のショッピング経験と効率性の向上を支援」,米Microsoft
独SAPと米IBM,小売業界向けのソリューションで提携拡大
「小売り販売業界における次世代技術導入をISVや周辺機器ベンダーが支援」,米Microsoft
「世界における2005年のIT予算は2.5%増加」,米Gartnerの調査

発表資料へ