米AT&Tは,2004年第4四半期と通年の決算を米国時間1月20日に発表した。第4四半期の純利益は6億2500万ドル(希薄化後の1株当たり利益は78セント)。前年同期の3億4000万ドル(同43セント)から大幅な増収となった。営業利益は12億ドルで営業利益率は16%だった。

 同期の売上高は10.2%減少して73億ドルになったが,従業員解雇による経費削減,資産売却による税的効果が要因となり増益となった。同期の純利益には,前期に実施した114億ドルの資産評価引き下げに関連する税引き後の償却利益3億3700万ドル(1株あたり42セント)が計上されている。

 同社は同年,1万1200人の従業員削減,114億ドル分の資産償却,個人サービス事業からの撤退を発表している。

 同期の売上高は,企業向けサービスが7%,消費者サービスの売上高が18%縮小して全体で10.2%減となった。同社は企業顧客向けに低価格サービスの提供に注力しており,消費者向け事業では既存顧客へのサービスは続けているが,新規契約の営業は停止している。

 売上高の内訳は,企業向け事業のAT&T Business部門が7%減の55億ドル,個人向け事業のAT&T Consumer部門が18%減で18億ドルだった。売上高が減少した主な要因として,長距離音声サービスの不振が続いていることを挙げた。

 通期の純損失は61億ドル(1株あたりの損失は7ドル68セント)。同社は,第3四半期に行なわれた資産減価やリストラ関連の経費などが影響していると説明している。前年は純利益19億ドル(1株あたりの利益2ドル36セント)を計上していた。

 同社は,2005年の業績見通しも明らかにしている。同年は売上高として15~18%減の250億~260億ドルを予測する。法的規制による変更からの影響を受け,小規模企業からの収益は前年から数千万ドル減少するとみている。すべての費用を除いた営業利益率は2桁台前半と予想。同社は2004年の営業利益率として10.7%を予想していた。資本投資はおよそ15億ドルになるという。

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