韓国Samsung Electronicsは,3次元空間の動きを感知するセンサーを搭載する携帯電話機「SCH-S310」を現地時間1月12日に発表した。同モデルに搭載するセンサー「Accelerometer」は,3次元空間の動きを正確に検知してその動きに基づいて命令を実行する。

 同技術は,同社とSamsung Advanced Institute of Technologyとの共同研究によるもので,韓国内外で合計22件の特許を申請している。同センシング機能は,携帯電話機の動く方向と速度を検知する。小さい動きや速い動き,英数字などの認識も可能だという。

 携帯電話の入力装置としては,これまでキーパッド,タッチ・スクリーン,音声認識などがあるが,同社は,3次元の動作認識機能が重要なインタフェースとなり,携帯電話機のデザインと機能を大きく変化させる可能性があるとしている。

 SCH-S310では,ユーザーが電話機で空中に数字の「3」を描くと,この動きを認識して3をダイヤルする。「〇」や「×」を描くと音声メッセージで「はい」,「いいえ」と答えたり,2度振ると通話の終了やスパム・メッセージの削除を行なう。また,MP3の再生中に電話機を素早く右に動かすと次の曲に移り,左に動かすと1曲前に戻る。

 同社は,動きによって制御するその他の機能をすでに開発しており,後継モデルに搭載が予定されている。これには,ビデオや写真撮影の際に縦と横を切り替えたり,手ぶれを防止する機能などが含まれる。ゲームでは,ボタンの代わりに携帯電話機を上下左右に動かして操作できるようになるという。また,体の動きの変化も検知できるため,ダイエットのアドバイスやその他の健康目的にも使えるという。

 SCH-S310は,GPS機能,130万画素カメラ,オンデマンドミュージック,モバイル・バンキング機能も搭載している。同モデルの価格,発売予定日は明らかにされていない。

 同月初旬に,同社米国法人のSamsung Telecommunications Americaは,携帯電話機上で音声をテキストに変換する機能「VoiceMode」に発表している。携帯電話機が口述されたメッセージをテキストに変換するため,音声でテキスト・メッセージの作成が可能になるというもの。同機能は,新しい携帯電話モデル「p207」,「a890」に搭載される。

◎関連記事
韓国Samsung Electronicsの米国法人,音声をテキストに変換する携帯電話機を発表
「2004年Q3の世界携帯電話市場,首位はNokiaで2位をSamsungが獲得」,米Gartnerの調査
韓国Samsungの2004年Q3決算は前期比4%減収,LCD事業が不振
韓国Samsung,1.5GバイトHDDを搭載した携帯電話機を発表

発表資料へ