米McAfeeは,ネット上の詐欺行為に対抗する業界団体「Trusted Electronic Communications Forum(TECF)」に加入したことを米国時間1月12日に明らかにした。TECFは,フィッシング,スプーフィング,その他オンライン身元情報窃盗を狙う行為によるリスクの緩和を目的とする団体。消費者や企業を身元情報窃盗から守るため,国際的な標準仕様の策定作業も進めている。

 企業と消費者の両方に影響を与えているフィッシングやスプーフィングといった詐欺行為では,送信者を信頼できる発信元のように偽装した,“なりすまし電子メール”が送られる。これらのメールの本文に記載されたリンクを通じて本物に見せかけたWebサイトにアクセスさせることにより,パスワード,クレジット・カード番号,PIN(暗証番号)などの個人情報を引き出すという手口。

 TECF会長のShawn Eldridge氏は,「スプーフィングやフィッシングといったネット上の脅威は,インターネット通信発展の妨げになっており,企業によるインターネットとeビジネス技術を利用した活動の効果を低下させている。業界に影響力を持つMcAfee社が参加することにより,この深刻な問題に対する解決策につながる幅広い知識と技術がもたらされることを期待したい」と述べている。

 TECFには,米AT&T Wireless,米Best Buy,米Charles Schwab,米Fidelity Investments,GE Access社,米IBM,英Royal Bank of Scotland,米Siebel Systemsなどが参加している。

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