米連邦取引委員会(FTC)は,オンラインのポルノ・サイトへのアクセスを勧誘するスパムを送信した企業と個人ネットワークに対して訴訟を起こしたことを明らかにした。FTCが米国時間1月11日に発表した。

 提訴は,ネバダ州の米連邦地裁に1月3日付けで行なわれた。連邦地裁は,被告側に仮禁止命令を言い渡し,裁判手続きが始まるまで詐欺行為の禁止と資産の凍結を命じた。

 今回訴えられたのは,米ラスベガスのGlobal Net Solutions,Open Space Enterprises,Southlake Group,Southlake Group,英ロンドンのGlobal Net Venturesなど6社と5人の個人。FTCは,被告側が単一の企業体として活動し,ラベリング規定に沿った適切なラベリングを行なうことなくポルノ関連の内容を含む電子メールを大量に送信していたと主張している。

 CAN-SPAM法とFTCのラベリング規定では,ポルノ関連の内容を含むスパムに対し,件名とメッセージ本文の最初に「SEXUALLY-EXPLICIT:(性的コンテンツが含まれる)」と表示することを義務付けている。

 FTCは,被告側がポルノ・サイト,決済システムを運営し,ポルノ関連のコンテンツの配信と販売を行なっていたと主張。性的なコンテンツをアフィリエイト・プログラムを通じて販売し,トラフィックを同サイトに導いた第3者に対してコミッションを支払っていたという。FTCは,これらの活動が,同委員会のラベリング規定,CAN-SPAM法,連邦取引委員会法に反すると主張している。

 FTCによれば,被告側は,適切なラベリングを行なうことなく数十万通のポルノ関連のスパムを送信していた。また,本文が広告であることを明らかにせず,サービスが無料であるような印象を与えていた。オプトアウト(受信拒否手続き)に関する記載も無かった。

 また,同委員会によれば,被告側はWebサイトへのメンバーシップは無料だと宣伝しているが,利用者が課金されていることに気付いた時点では電子メール・アドレスを与えている仕組みになっていたと指摘している。

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