米Oracleは米国時間1月10日に,モバイル向けデータベース管理システム「Oracle Database Lite 10g」を発表した。「グリッド・コンピューティングをモバイル環境に広げる」(同社)としている。

 モバイル技術は,もはや営業や現場サービス分野にとどまらず,防衛や公共安全などにも導入が進んでいる。組織の重要なデータをモバイル対応にする場合は,集中管理,セキュリティ,アプリケーション機能を重視する必要がある。Oracle Database Lite 10gは,Oracle社のグリッド・コンピューティング・インフラをベースとしており,「安全で信頼性の高い技術アーキテクチャをユーザーに提供し,性能強化と拡張性向上により,数千人の同時ユーザーをサポートする」(Oracle社)。

 双方向同期サーバーによって,モバイル・デバイスのデータと企業のデータベースを一定間隔で同期化できるため,重要データに接続できない場合やアクセスの安全性が確保できない場所でも,効率的にデータを扱える。LAN,無線,衛星などに対応する。

 「Mobile Manager」機能を用いて,対象となるすべてのモバイル・デバイスを一元的に管理および監視可能。アプリケーション,システム,デバイスを管理するためのWebベースの高機能を備える。モバイル・アプリケーションの開発,配備,実装に向けたアプリケーション・ライフサイクル管理機能をはじめ,クライアント・デバイスの診断や設定機能,プロビジョニングおよび認証管理機能などが含まれる。

 Oracle Database Lite 10gはJavaと.NETをサポートする。直ちに利用可能とし,ライセンス料は使用ユーザー1人当たり100ドル。

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