英Sophosは,2004年12月におけるコンピュータ・ウイルスの被害状況について調査した結果を,米国時間1月6日に発表した。それによると,12月中旬に出現したワーム「Zafi-D」が被害全体の36.8%を占め,ワースト1となった。2004年に最も蔓延した「Netsky-P」は,11月のワースト1から3位に下がった。

 Sophos社が当月に分析し,対策を実施した新規ウイルスは964件。当月に出回った電子メールの18通に1通(全体の5.6%)が,ウイルスの被害を受けていたという。

 2004年12月の被害状況ワースト10は以下の通り。

順位   名称     全体に対する割合
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 1.W32/Zafi-D   36.8% 
 2.W32/Sober-I  20.7%
 3.W32/Netsky-P 15.5%
 4.W32/Zafi-B    8.6%
 5.W32/Netsky-D  2.8%
 6.W32/Netsky-Z  2.5%
 7.W32/Bagle-AA  2.0%
 8.W32/Netsky-B  1.7%
 9.W32/Netsky-AD 1.2%
10.W32/MyDoom-O  1.0%
その他           7.2%
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出典:Sophos社

 Sophos社シニア・セキュリティ・アナリストのGregg Mastoras氏は「Zafi-Dは12月で唯一の新たにランク入りしたワームだが,かつて大勢を占めたNetsky-Pと『Zafi-B』を押しのけ,いきなりワースト1に躍り出た」と述べている。「同ワームは発見されてからわずか24時間で,被害報告の72%以上を占め,電子メール10通のうち1通が同ワームに感染した。このように短時間で蔓延するワームは非常に警戒すべきだ」(同氏)

 同社はまた,2004年12月における偽情報のワースト10も発表した。「Hotmail hoax」が6カ月連続のワースト1となり,さらにクリスマスをテーマとした「Elf Bowling」が再びランクインした。

■2004年12月の偽情報ワースト10
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 1.   Hotmail hoax                   32.7% 
 2.   Meninas da Playboy              9.7%
 3.   A virtual card for you          7.8%
 4.   Elf Bowling                     5.4%
 5.   Yahoo instant message           4.2%
 6.   Applebees Gift Certificate      3.5%
 7.   Bonsai kitten                   3.1%
 8.   Budweiser frogs screensaver     2.3%
 9.   Jamie Bulger                    2.0%
10.   Bill Gates fortune              1.5%
その他                               27.8%
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出典:Sophos社

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