米AMDが,組み込み用プロセサの新版「AMD Alchemy Au1200」を米国時間1月3日に発表した。「低消費電力と高性能が特徴で,リビング・ルームで楽しむのと同等の画質のビデオ映像を持ち運ぶことが可能となる」(AMD社)

 メディア処理用エンジンを内蔵しており,DSPの付加やDSP用コーディングをする必要がない。そのため,「携帯型メディア・プレーヤを,短期間で開発し,低価格で提供できる」(同社)という。

 DVD画質(720×480ピクセル)のビデオを処理できるほか,最大1024×768ピクセルの映像を扱える。対応フォーマットは,MPEG2,MPEG4,WMV9,H.263,DivX。オーバレイおよびブレンド機能を持つ液晶ディスプレイ(LCD)コントローラを備える。AES-128の暗号化/復号化をハードウエアで処理する。

 カメラ用インタフェース,インターネット・アクセス機能,USB2.0ホスト/デバイス機能を持ち,DDR1およびDDR2メモリーの使用が可能。対応OSは,Windows CE.NETとLinux。消費電力は400MHz動作時で400mW未満。

 量産品は2005年第2四半期に利用可能とする予定。333MHz版,400MHz版,500MHzを用意する。1万個ロット時の価格は,333MHz版が22.50ドル。

 AMD社は,デジタル・ビデオ・レコーダ(DVR)内の映像を携帯用メディア・プレーヤ,ノート・パソコンなどに転送する米TiVoの技術「TiVo-To-Go」の実現に向け,TiVo社と提携している。「TiVo-To-Goで,当社のセットトップ・ボックスから携帯用メディア・プレーヤへの安全なコンテンツ転送が可能となる。ユーザーは,テレビ番組をリビング・ルームや飛行機,ホテルなど,どこでも楽しめる。AMD社のAu1200のような組み込みプロセサにより,コンテンツの直接転送が実現する」(TiVo社技術&ライセンシング事業担当ディレクタのDavid Sandford氏)

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