米IDCは,コール・センターのアウトソーシングに関する調査結果を米国時間12月21日に発表した。それによると,現在多くの企業がコール・センター業務に,オフショア・アウトソーシングの代わりに「ホームショアリング」(または「ホームソーシング」)と呼ばれる新たなモデルを採用しつつある。
ホームショアリングとは,国内の在宅スタッフに業務を委託する方法。「企業はコストを削減しながら生産性と効率を高めることができる」(IDC)
現在,米国には在宅で電話応対を行なうエージェントが10万人以上いるという。企業は従来のアウトソーシングやオフショア・アウトソーシングと比べて,米国市場に精通した高いスキルのエージェントを妥当なコストで雇える。通勤圏内に居住しいるかどうかを問題にせずに優れた人材を獲得できるほか,必要な時間帯のみ契約することも可能だ。
IDCのCRM & Customer Care BPO Research部門でシニア・アナリストを務めるStephen Loynd氏はホームショアリングが増えている要因について,「過去4年間に,顧客関係管理(CRM)および顧客サポートで大きな課題に直面しているため」と説明する。
同氏によれば,Alpine Access社,Aspect社,IntelliCare社,West社,Willow社,Working Solutions社などが,在宅ベースのアウトソーシング手法と戦略を取り入れている。
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