トレンドマイクロの米国法人Trend Microは米国時間12月20日に,インターネット・ユーザー向けのアンチウイルス・サービス提供に関して米Microsoftのインターネット事業MSNと提携を結んだことを明らかにした。1億8700万件のアカウントを抱えるインターネット・メール・サービス「MSN Hotmail」でトレンドマイクロのウイルス検出および駆除技術を採用する。

 Microsoft社MSN Communication Services部門ディレクタのPhil Holden氏は,「当社は,より安全なオンライン体験をユーザーに提供することに注力しており,常にそのための投資を行っている。グローバル展開している無償電子メールサービスで,ユーザーにウイルス検出および駆除技術を提供しているのはMSN Hotmailだけだ」と述べた。「このサービスは,MSN Hotmailユーザーだけでなく,電子メールを送信する相手である友人や家族などのすべてのユーザーを保護するために役立つと確信している」(同氏)

  MSN Hotmailでは,トレンドマイクロの技術を利用し,電子メールの添付ファイルをスキャンして,最新のウイルス,トロイの木馬,ワームをリアルタイムで検出および防止する。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,トレンドマイクロのウイルス・スキャニング・エンジンをMSN Hotmailサーバー上で走らせ,トレンドマイクロのウイルス定義アップデート・サーバーと連携させる。なお,MSN Hotmailは,2000年以降,米McAfeeのアンチウイルス技術を導入していたが,今回トレンドマイクロに乗り換えることになる。

 「今回の提携により,当社は数百万人のインターネット・ユーザにウイルス防止技術を提供できる機会を得る」(トレンドマイクロ代表取締役社長兼CEOのSteve Chang氏)

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