米バージニア東部連邦地方裁のLeonie Brinkema判事は,GEICO社が起こした商標権を巡る訴訟の却下を求めるGoogle社の申し立てを米国時間12月15日に認めた。GEICO社は,Google社のサイトでキーワード「GEICO」で検索を行なうと,検索結果にライバル社の広告が表示されるため,これが商標の侵害にあたるとして訴えを起こしていた。同社は,これがGEICO社の商標価値を希釈し,消費者を混乱させると主張していた。

 米メディア(CNET News.com)によれと,同判事は同日,この問題についての公式見解を発表した。Google社の代理人であるMichael Page氏は,判事が「法律に照らした場合,商標をキーワードにして広告を表示することは商標権の侵害にあたらない」と見解を明らかにしたという。また,同判事は,検索結果にライバル社のテキスト広告にGEICO社の商標が表示される問題に関しては連邦商標法の違反を認め,Google社とGEICO社に対して和解にするよう勧告した。

 GEICO社は,5月にGoogle社とOverture Service社を相手取って訴訟を起こした。8月下旬には,GEICO社による6件の訴えを却下するようを求めるGoogle社とOverture社の申し立てをBrinkema判事が退けていた。このときGEICO社は,連邦商標法において検索関連広告の表示に名称を使用することは商標権の侵害にあたり,不当競争であるとともに商標の希釈になると主張していた。同判事は,不法干渉と法にふれる共同謀議に関する訴えを却下すべきだというGoogle社とOverture社の異議申立てを認めた。

 今回の判決は,広告収益の最大95%をキーワード検索広告から得ているGoogle社の大勝利となった。多くの人が,製品やサービスをインターネット上で探す場合に,商標登録されたブランド名を利用するため,商標は,広告の売り上げにとって重要な役割を果たしている。

 今回の判決は,同様のオンライン商標侵害の訴訟における先例になる可能性があると指摘している法律の専門家もいる。Google社は,米American Blindと米Wallpaperからもキーワード広告プログラムに関して商標侵害で提訴されている。

 裁判資料によると,Brinkema判事は,略式裁判を求めるGoogle社の申し立てを11月19日に却下している。

 GEICO社は,同月初旬にOverture社との訴訟で和解に達している。和解の内容は明らかにされていない。

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