有料衛星ラジオのプロバイダである米SIRIUSは,デジタル地図データ・プロバイダの米NAVTEQと提携を結んだことを米国時間12月14日に発表した。この提携により,SIRIUS社のサービスでリアルタイムの交通情報を新たに提供するという。

 SIRIUS社が配信する事故,道路閉鎖予定,混雑状況などの情報は,カーナビ・システムのルート案内や交通状況のマッピング機能と連携する。30の市場で提供を開始し,将来的には50市場以上に拡大する。

 「今回発表したデータ・サービスは,SIRIUS社の『First Traffic』音声サービスを補完するもの。カーナビと組み合わせることで,ドライバーは最適なルートを選択し,渋滞や事故情報を事前に把握することができる」(SIRIUS社Operations and Sales部門社長のJim Meyer氏)

 また,SIRIUS社の競合プロバイダである米XM Satellite Radioは,レンタカー会社の米Vanguard Car Rental USAとの提携を同日明らかにした。Vanguard社が運営する「National Car Rental」「Alamo Rent A Car」ブランドで,XM Satellite Radio社の衛星ラジオ「XM Radio」を無償提供する。

 導入対象となるのは,両ブランドが保有する2005年式「Chevrolet Monte Carlos」「同Impalas」「Pontiac Bonnevilles」など。

 XM Satellite Radio社はVanguard社との提携により,新規顧客獲得を狙う。XM Satellite Radio社OEM担当バイス・プレジデントのPaul Kirsch氏は,「消費者が当社のサービスを最初に体験する機会として,レンタカーは理想的だ」と述べた。

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[発表資料(SIRIUS社のプレス・リリース)]
[発表資料(XM Satellite Radio社のプレス・リリース)]