米EMC傘下の米VMwareは,サーバー向け仮想マシン・ソフトウエア「VMware ESX Server 2.5」,複数のサーバー資源を一元管理するソフトウエア「VMware VirtualCenter 1.2」,仮想マシン制御用ソフトウエア開発キット(SDK)「VMware Virtual Infrastructure SDK 1.2」の一般提供を開始した。VMware社が米国時間12月14日に明らかにしたもの。
ESX Serverは,1台のサーバーで複数の仮想マシンを構築し,それぞれを独立した環境として機能させるソフトウエア。各仮想マシン上で異なるOSやアプリケーションを動かせる。故障やアップグレード作業で使えない状態の仮想マシンがあっても,同一サーバーのほかの仮想マシンで動いているOSなどには影響が及ばない。
ESX Server 2.5の主な新機能は以下の通り。
・SANからの起動に対応:
SANからESX Serverカーネルの直接起動を可能としたことで,ハード・ディスク装置を持たないサーバーでも仮想マシンが実行できるようになった
・SANに対する透過性を確保:
仮想マシンからのSANアクセスを可能とした。これにより仮想マシン上で動作しているOSから,SANの拡張機能が利用できるようになった
・インストールを自動化:
スクリプトを使用することで,複数のサーバーへのインストールが迅速に行える
・対応ハードウエアの拡大:
米AMDまたは米Intelのプロセサを搭載する米Dell,米Hewlett-Packard(HP),米IBMのラックマウント/ブレード・サーバーでの動作を確認済み
・対応ゲストOSの拡大:
仮想マシン上で動作させるOS(ゲストOS)として,FreeBSD 4.9,Microsoft Windows Small Business Server 2003,SUSE LINUX Enterprise Server 9の利用を可能とした
・Common Information Model(CIM)対応:
マルチ・ベンダーのストレージ・ネットワークを管理する技術であるCIMに対応しており,CIM対応クライアント/管理ツールとの連携が可能
VirtualCenterは,ESX Serverの生成した仮想マシンを一元管理するためのソフトウエア。VMware Virtual Infrastructure SDKの新版を同梱しており,他社の管理ソフトウエアと統合するためのWebサービス用APIを提供する。VirtualCenter 1.2およびVirtual Infrastructure SDK 1.2は,ESX Server 2.5に対応し,ESX ServerのSAN透過機能の利用を可能とした。さらに「VMware GSX Server」への対応も強化した。
VMware ESX Server 2.5とVMware VirtualCenter 1.2は,同日より利用可能とする。価格は,ESX Serverが3750ドル(2ウエイ・サーバー用)から,VirtualCenterが5000ドルから。サポート契約を結んでいるユーザーは,無料でアップデートできる。
またVMware社は12月13日に,米Oracleのサーバー技術部門との提携について明らかにした。両社は,仮想マシン・ソフトウエア製品の開発/マーケティング/サポートなどを共同で進める。
◎関連記事
■米Vmwareが「GSX Server」の価格引下げを発表,2CPUライセンスが1400ドルに
■米VMware,4ウエイ・システムを1台の仮想マシンにするソフトを発表
■米VMware,仮想マシン制御用SDK「VMware Virtual Infrastructure SDK」を発表
■米IBMと米VMware,仮想マシン・ソフトウエアのバンドルで提携を拡大
■米Dell,サーバー/ストレージ製品と米VMWareの仮想マシン・ソフトをセット販売
■VMWareの大型案件が増加、OS移行対策で数千ユーザーを獲得することも
■米Microsoft,サーバー用仮想マシン・ソフト「Virtual Server 2005」を30日以内に提供開始
■Microsoftが仮想マシン技術の買収で手に入れたもの