米Sun Microsystemsは,Javaアプリケーション開発環境の新版「Java Studio Enterprise 7」をリリースしたことを米国時間12月14日に発表した。同社Webサイトからダウンロード入手可能。

 新版の特徴である「Code-Aware Collaboration」機能は,離れた場所にいる作業チームやグループが生産性の高い共同作業を行うための環境を提供する。インスタント・メッセージングなどに対応した各種通信ツールにより,情報や成果物のやりとりをすばやく行える。

 モデリング言語UML(Unified Modeling Language)をサポートし,リバース・エンジニアリング,コードのドキュメント化,ユーザー・インタフェースやプロセスのモデリングなどを効率的に行える。開発者は,プロジェクト全体を視覚的に把握することができる。

 そのほか,「Application Profiler」機能を使ってアプリケーションのパフォーマンスを分析し,将来問題となりうる部分を特定し,改善することが可能。

 Java Studio Enterprise 7のライセンス価格は従業員1人当たり年間5ドル。1895ドルの永久ライセンスも用意する。2005年6月30日までの期間限定で,Java開発者向けツール「Java Studio Creator」を組み合わせて,995ドルのプロモーション価格で提供する。

 また同社はNetBeansコミュニティとともに,オープンソース統合開発環境の最新版「NetBeans 4.0」を12月15日にリリースすることを明らかにした。Java 2 Platform Standard Edition(J2SE)5.0をサポートし,Apache Antを基盤としたプロジェクト・システムを含む。

 コード・メンテナンスを簡素化するリファクタリング機能を備えるほか,Java 2 Platform Enterprise Edition(J2EE)1.3および1.4,Java 2 PlatformMicro Edition(J2ME)への対応を強化した。

 NetBeans 4.0は,NetBeansコミュニティのWebサイトからダウンロード入手可能。なお,次期バージョンのNetBeans 4.1は2005年に利用可能とする予定。Enterprise JavaBeans(EJB)コンポーネントやWebサービスへのサポートなど,多数の新機能を追加するという。現在,早期アクセス版を配布している。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]