米National Semiconductorが,2005会計年度第2四半期(2004年9月~11月期)の決算を米国時間12月9日に発表した。売上高は4億4890万ドルで,前年同期の4億7350万ドルに比べ5%減,前期の5億4800万ドルに比べ18%減少。GAAP(会計原則)ベースの純利益は8000万ドル(1株当たり利益21セント)で,前年同期は純利益6580万ドル(同17セント)から増益となった。なお,前期の1株当たり利益は31セントだった。

 粗利率は50.6%。前年同期の50.1%から拡大したが,前期の55%に比べ縮小した。前期より粗利率が低下した主な理由について,National Semiconductor社は「生産設備の稼働率を90%台中盤から60%台中盤に下げ,生産量を抑えたため」と説明する。

 「販売チャネルで在庫削減を進めていることから,当期は売上高がやや低下した。しかし,大量消費されるアナログ製品への注力と,コスト管理の効果で,50%を超える粗利率を維持できた。前年同期に比べ減収となったものの,1株当たり利益の増加には成功した。これは,当社のビジネス・モデルがうまく機能していることの証だ」(National Semiconductor社会長兼社長兼CEOのBrian L. Halla氏)

 受注額は,前年同期比31%減,前期比16%減。「(受注減は)ホリデー・シーズン後をにらみ,販売業者およびOEM顧客が在庫レベルの削減/調整を行っているため」(同社)。地域別にみた場合,アジアの携帯電話機/フラット・パネル・ディスプレイ(FPD)メーカーからの注文が特に減少した。ただし,携帯機器向け電力管理製品に対する注文は,前年同期に比べ25%増えた。

 同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。それによると,2005会計年度第3四半期(2004年12月~2005年2月期)の売上高は前期に比べ横ばいもしくはやや減少すると予測する。粗利率は前期とほぼ同等を見込んでいる。

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