米IBMは,現在一般的に利用可能なものに比べ大きさが約10分の1というSRAMメモリー・セルの製造に成功した。IBM社が米国時間12月6日に明らかにしたもの。これまで実験的に製造された最小のSRAMメモリー・セルと比較しても半分程度という。ただし,具体的な大きさは発表していない。

 同メモリー・セルの大きさについて,同社は「人間の毛髪と同程度の直径を持つ円のなかに,約5万個敷き詰められる」と説明する。大きさが10分の1なので,メモリー容量を現行SRAMの10倍に増やせる可能性がある。

 メモリー・セルを微小化すると同時に安定性を確保するため,同社の研究者は,電子ビームと光学リソグラフィを組み合わせたパターン製造手法を開発した。

 同メモリー・セルの詳細は,2004年12月13~15日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催されるInternational Electron Devices Meeting(IEDM)で発表する。

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