米Hewlett-Packard(HP)は,米VERITAS Softwareのストレージ管理ソフトウエア製品系列「VERITAS Storage Foundation」をOEM販売する。両社が米国時間12月2日に明らかにしたもの。これにより,HP社はUNIX OS「HP-UX 11i」とクラスタリング・ソフトウエア「HP Serviceguard」の仮想化機能を強化する。

 両社は,HP Serviceguardに「VERITAS Storage Foundation Cluster File System」と「Storage Foundation for Oracle RAC」を組み込み,統合ソリューションとして提供していく。VERITAS Storage Foundationを使用すると,複数のサーバーからストレージ・システムへの同時アクセスが可能となる。その結果,サーバー間の負荷分散と,共有ストレージ・デバイス使用の最適化が実現できるという。

 HP社は,同統合ソリューションをHP-UX 11i向け仮想化ソフトウエア「HP Virtual Server Environment(VSE)」の重要な構成要素と位置付ける。VSEは,SLA(サービス・レベル契約)に応じてITリソースを動的に割り当てるソフトウエアで,作業の優先度に応じてサーバー・リソースの使用をリアルタイムで最適化する。VSEとVERITAS Storage Foundationを組み合わせることで,予想外のシステム停止が発生しても,サービスのレベルを維持できるようになる。

 同統合ソリューションは,HP-UX 11i v2に同梱して提供する。2005年第3四半期に利用可能とする。

 なおHP社はこれまで,CompaqのUNIX OS「Tru64 UNIX」の技術(「TruCluster」および「Advanced File System」をHP-UX 11iに組み込む予定だったが,計画に遅れが生じていた。これについて同社は,「(VERITAS社の技術を使うことで)顧客に同様の機能を約1年早めて提供できるようになる」と説明している。

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