米Hewlett-Packard(HP)が,同社製品ユーザーのセキュリティ強化を図る各種製品やサービスを米国時間11月30日に発表した。家庭/中小企業/大企業/公共機関と,同社のすべての顧客分野を対象とする製品/サービスを拡充し,顧客のセキュリティ対策を支援していくという。

 具体的には,家庭ユーザーのセキュリティに対する認識向上を図る「PC Security」活動を拡充するほか,中小企業のセキュリティを強化する製品/オンライン・ツール,大企業/組織向けセキュリティ・サービス「HP Security Incident Management Program」を提供する。

 PC Securityは,家庭ユーザーのパソコン向けセキュリティ・サービス。パソコン内の個人情報を保護し,システムの動作を安定させることが目的という。具体的には,1)1時間以内に電子メールで返答するほか,チャットでリアルタイムに対応する無料のオンライン・セキュリティ・サポート,2)ウイルスの流行を電話で知らせる無料サービス,3)ノート・パソコンに同梱する動作/セキュリティ状況診断ソフトウエアを用意する。

 さらにPC Securityの一環として,セキュリティに関する認識向上/教育キャンペーンの展開,各種セキュリティ・ツールを提供するWebサイトの新設,セキュリティ関連サポートおよび情報提供,アンチ・ウイルス/スパイウエアの特別販売なども行う。

 中小企業向けには,システムを物理層からアプリケーション層まで6種類に分類し,それぞれの層にウイルス/スパイウエア/スパム対策,侵入防止,セキュリティ更新などを実現するソリューションを提供する。「当社は販売パートナと協力して中小企業顧客のセキュリティ確保を支援し,顧客が本来の事業に集中できるようにする」(HP社)。

 同社のデスクトップ/ノート・パソコン,ワークステーション,シン・クライアント,新PDA製品系列「HP iPAQ Pocket PC hx2000」への不正アクセスを防ぐ。60日間試用可能な「Symantec Client Security」も提供する。

 大企業/組織向けのHP Security Incident Management Programでは,さまざまな脅威に迅速な対応をとれるようにするために,新たな製品,サービス,ソリューションを販売する。「既知の脅威やぜい弱性などに対する予防策を強化することで,未知のセキュリティ攻撃による被害を防止,または最小限に抑える」(同社)

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,HP社はiPAQ Pocket PC hx2000製品系列の1モデルとして,指紋リーダー付きPDA「hx2700」を発表したという。価格は549ドル。

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