米Sybaseが,企業向けリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)「Adaptive Server Enterprise(ASE)」のLinux版を米IBMのPOWER5搭載サーバー「eServer OpenPower」に対応させると,米国時間11月30日に発表した。Sybase社とIBM社は,金融サービス業界を中心に,世界各地でOpenPower対応ASEの販売/マーケティング/サービスを共同展開する。同ASEは2005年第1四半期に利用可能とする予定。

 ASEは,金融サービスのように負荷が高く,信頼性,安全性,可用性が必要不可欠な環境において,Linux上で一貫して優れた処理性能を出すことができるという。Sybase社は「競合製品に比べ,相当少ないリソースで高い性能を発揮できる」としている。「オープンな標準技術を採用しているため,統合や移行が容易で,リスクとコストが低い」(同社)

 Sybase社IT技術ソリューション・グループ担当上級副社長のRaj Nathan氏は,「Linux用ASEをOpenPowerに対応させるのは,企業データの管理とやり取りを効率化するための幅広い選択肢を顧客に提供するため」と説明する。これは同社の,モバイル端末と無線LANを使った業務遂行を支援するという「Unwired Enterprise戦略」の中核製品になるという。

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