米Infonetics Researchは,2004年第3四半期における世界のWi-Fiハードウエア市場に関する調査結果を英国時間11月22日に発表した。同市場の売上高は,前期から9%増の7億8450万ドルに達し,出荷ユニット数は31%増加した。これは,主要Wi-Fi製品であるモバイル・データ関連の製品が引き続きすべての分野で好調だったこにけん引されているという。

 同社は,Wi-Fiハードウエア製品の出荷ユニット数は5年間で平均成長率(CAGR)37%で増加し,2007年に8400万台を超えると予測している。これは,2003年の出荷ユニット数の252%増に相当する。売上高で見ると,2007年は37億ドルを超えると予測される。これは,2003年の49%増に相当する。

 同期間において,出荷ユニット数の伸び(252%)に対して売上高の伸び(49%)が低いのは,競争の激化による価格低下が要因として挙げられている。しかし,Wi-Fiスイッチ部門は大きく成長している。

 同社ディレクティング・アナリストのRichard Webb氏は,「今後5年間はにおいて,消費者,企業,公共向けのWi-Fiホットスポット部門が,無線LANハードウェア市場全体の成長をけん引するだろう。特に消費者部門の成長が著しい」とコメントしている。

 同期における無線LAN機器の世界市場では,米Cisco Systemsがシェア16%で首位を収めた。同社は,2期連続で売上高が1億ドルを超えた。米Linksysがシェア13%で2位に続いた。無線LANハードウエア製品の売上高の内訳は,アクセス・ポイントは全体の3分の2を占め,NICは4分の1以下だった。

 世界市場におけるスタンドアロンのアクセス・ポイントの売上高は前期から6%増加しており,サービス・プロバイダ/企業向けアクセス・ポイントの売上高も9%増加した。しかしSOHO/消費者向けスタンドアロンのアクセス・ポイントの売上高は6%減少した。これは,無線ルーター,ゲートウェイ機能などを備えるより柔軟な製品が求められていることを示している。

 無線LAN機器の購入者の大半は,依然としてSOHOと消費者だが,同期は消費者からの売上高が1ポイント減少し,サービス・プロバイダ/企業からの売上高が1ポイント増加している。

 地域別にみると,北米の無線LAN機器の売上高は,全体の50%弱だった。EMEA(欧州,中東,アフリカ)諸国が4分の1,アジア太平洋地域が24%だった。

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