米AMDが,ノート・パソコン用の新型プロセサ「Mobile AMD Sempron processor 3000+」を米国時間11月23日に発表した。AMD社は,同プロセサを薄型/軽量ノート・パソコン向けとしている。直ちに利用可能とする。「世界各地のパソコン・メーカーが,ホリデー・シーズンに向けて対応製品をリリースする」(同社)

 Mobile AMD Sempronについて,AMD社コンピュテーション製品グループ/マイクロプロセサ事業部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのMarty Seyer氏は,「信頼性の高い演算処理とインターネット接続をいつでもどこでも求めるモバイル家庭ユーザーに対し,必要な性能と機能を提供するプロセサ製品系列」と説明する。

 「インターネットの利用が増えるに従い,ウイルスと遭遇する可能性も高まっている。そこで当社はすべてのMobile AMD Sempronプロセサに,Enhanced Virus Protection(EVP)とWindows XP Service Pack 2(SP2)による最新のセキュリティ技術を導入した」(同氏)

 EVPは,SP2と組み合わせてウイルスやワームによる攻撃を防ぐハードウエア・ベースのセキュリティ技術。 SP2のセキュリティ技術Data Execution Preventionと連携し,バッファ・オーバフロー(バッファ・オーバラン)を悪用するウイルス/ワームを無力化し,複製やほかのシステムへの感染を防止する。

 また同プロセサは,省電力技術AMD PowerNow!を採用しており,バッテリ駆動時間が長いという。同社のノート・パソコン用既存プロセサと同じく,3種類(IEEE802.11a/b/g)の無線LANに対応している。

 1000個ロット時の単価は134ドル。

 同プロセサ搭載ノート・パソコンは,米Packard Bellがフランス/イタリア/スペイン/北欧諸国/英国で11月終わりごろ,オーストリアのGericomがドイツで11月中に販売を開始する。台湾Acer,エプソンダイレクト,富士通と独Siemensの合弁子会社Fujitsu Siemens Computers,シャープも対応パソコンのリリースを予定している。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,同プロセサの動作周波数は1.8GHz,レベル2キャッシュ容量は128Kバイト,最大消費電力は25Wという。

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