米IBMは,車載電子機器/ソフトウエアに関するコンソーシアムAutomotive Open Systems Architecture(AUTOSAR)に参加した。IBM社が米国時間11月19日に明らかにしたもの。Premium MemberとしてAUTOSARに参加する。各種ワーキング・グループで活動を行うほか,技術提供も行う予定。

 現在の自動車は,さまざまな電子機器やソフトウエアを組み込むため,電子系開発のプロセス管理が難しいという。「1台の自動車内では,ハードウエア,ソフトウエア,電子システムが相互に連携して動作することから,これまでになく複雑になっている。こうしたシステムの開発は難しく時間もかかる。さらに,リコールが必要になるとコストも高くつく。車載組み込みシステムにはアーキテクチャ/ソフトウエア標準が存在しないため,複雑さを増す開発作業の効率化が難しい」(同社)

 AUTOSARは,車載システム向け技術開発のこうした負荷を軽減するために,自動車/電子機器/ソフトウエア業界の企業が結成した組織である。オープン標準ベースのプラットフォームを開発/適用し,車載電子機器/ソフトウエア開発を支援する。2003年7月に正式活動を開始した。現在,数10社が参加している。主なメンバーは,ドイツBMW,ドイツVolkswagen,DaimlerChrysler社,ドイツRobert Bosch,ドイツSiemens,Continental Tevis社。

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