米Linspireは,同社のLinux OS「Linspire」で米Microsoftのマルチメディア再生ソフト「Windows Media Player(WMP)8」,「同9」をネイティブでサポートすることを米国時間11月18日に発表した。

 すべてのLinspireバージョンに直ちにWindows Mediaサポートが統合されるため,ユーザーは,Linspireで人気がある「FoxNews.com」や「Movies.com」といったサイト上の音楽やビデオの再生が可能になる。

 「Windows Mediaファイルに完全に対応することにより,Linspireユーザーは,Webサイト上に組み込まれたビデオや新曲のクリップ即座に楽しむことができるようになる」(Linspire社CEOのMichael Robertson氏)

 同社によれば,Windows MediaをLinux上で動作可能にするために2カ月を超えるエンジニアリング努力を要したという。Linspireは,Microsoftから直接コーデックのライセンスを受け,Linuxベースのシステム上でWindows Mediaコードが対応するように変更を加えた。エンジニアリングには,Windows CE Windows MediaコードのすべてをLinuxに移植する必要があった。

 しかし,新しいライセンスには制約があり,LinspireではすべてのWindows Mediaファイル形式を法的にサポートすることはできない。Linspireでは,Microsoft社のデジタル著作権管理(DRM)ソフトウエアでエンコードされたコンテンツは再生することが不可能となっている。Napster,Musicmatch,Buy.comといった多くの商用音楽ストアはすべてのファイルにDRMを実装しているため,デスクトップLinuxユーザーはこれらのサイトを利用することはできない。Linspire社は,「Windows Mediaサポートを完全なものにするために」(Linspire社)Microsoft社にライセンス供与を要求したが,Microsoft社に拒絶されたという。

 「Microsoft社がLinux企業にDRMのライセンスを供与しないため,Linuxユーザーが,人気のある音楽サービスから締め出されているのは残念なことである。Microsoft社は,自らのオペレーティング・システムを独占的に使い,高圧的に音楽業界をコントロールしようと試みているのは明らかである」(同氏)

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