米Oracleは,2005年より四半期ごとにセキュリティ・パッチを提供することを米国時間11月18日に発表した。パッチは,同社の「Critical Patch Updates」をもとに1年に4回提供される。配布スケジュールの固定により,企業は,従来のように予定外のパッチ・アラートに対応するのではなく,設定管理の計画が立てられるようになる。

 包括的なパッチ・セットにより,企業はより効率的にOracle製品のセキュリティの脆弱性に対処可能となる。パッチの対象となる製品には,Oracle Application Server,Oracle Database,Oracle E-Business Suite,Oracle Enterprise Manager,Oracle Collaboration Suiteなどが含まれる。アップデートは,2005年1月18日,4月12日,7月12日,10月18日に同社のサポート・サイトであるMetaLinkを介して顧客向けに発行される予定。

 「企業は,ITシステムへのパッチ当てを定期的に計画されたスケジュールをもとに行なうことを好んでいる。さまざまな業界に携わる企業を調査の結果,四半期に1度のペースでアップデートを配布するのがもっとも顧客のニーズに適していることが明らかになった」(Oracle社セキュリティ担当主任のMary Ann Davidson氏)

 同社は,スケジュールの固定化により,顧客がシステムのアップデートを行なえない危険な期間を回避することも狙っている。たとえば,多くの企業において,会計がまとめられる四半期末にはシステムのアップデートが認められていないという。また,企業はCritical Patch Updatesで提供する単一のパッチによって,複数の優先順位の高い脆弱性を修正できるため,パッチ適用のコスト削減が実現できるという。

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