米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は米国時間11月18日に,インターネット・サービス用ソフトウエア「AOL 9.0 Security Edition」を発表した。セキュリティ機能を重点的に強化し,「ユーザーとその家族が,より安全にオンラインを活用できるようにする」(AOL社)。

 AOL 9.0 Security Editionは,特に標準的な高速接続サービスで不可欠な各種セキュリティ機能を備えており,米McAfeeのウイルス防止ツール「McAfee VirusScan Online」とファイアウオール「McAfee Personal Firewall Express」を提供する。

 McAfee VirusScan Onlineは,オンラインに接続すると自動的に更新される。PtoPファイル交換,Webサイトのダウンロード,CD-ROMやディスクなど,オンラインとオフラインの両面で,既知のウイルスやワームを遮断する。McAfee Personal Firewall Expressは,ダウンロードして使用するソフトウエアで,悪意のあるハッカー(クラッカ)や不正侵入者からコンピュータを保護する。

 また,AOL社のスパイウエア防止ツール「Spyware Protection」に「SpyZapper」機能を追加した。SpyZapperは,AOLメンバーのオンライン利用を妨害する可能性のある最も悪質なスパイウエアなどのプログラムを自動検出する。

 その他の主なセキュリティ機能は以下の通り

・スパム防止ツールとSPIM(インターネット・メッセージングのスパム)防止ツール

・ポップアップ広告の表示を制御するポップアップ・コントロール機能

・銀行口座やクレジットカードが不正使用された場合に警告を発する「Money Alerts」

・ペアレンタル・コントロール機能に,不適切なコンテンツを子供のオンライン検索対象から外す「Teens Search」やIMでやりとりする相手を制限する「IM Safety List」を追加

・ブラウザのキャッシュやクッキーをワン・クリックで消去する「Clear My Footprints」

 AOL 9.0 Security Editionはすでに配布を開始している。AOL社のダイヤルアップ・サービスまたはブロードバンド・サービスに加入しているユーザーは無償で入手可能。

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