米IDCは米国時間11月17日,世界ITサービス市場の今後の展望について調査した結果を発表した。それによると,2004年の世界ITサービス市場は5530億ドルに達する見通しである。また,2004~2008年にかけて年平均6.9%で成長する。

 IDC,Worldwide Services部門担当ディレクタのSophie Mayo氏は,「同市場は再構築のまっただ中にある。ユーティリティ・コンピューティングへの移行や社内構造の変化が,提携関係,オフショア・アウトソーシング,プロジェクト・べースのサービス,ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)などに影響を与えている」と説明する。

 大手ベンダーの大半は,買収を自社戦略の重要な要素と見なしているため,買収による同市場の整理統合が続く見通しだ。「とりわけ欧州市場で買収や合併が進むだろう」(同社)

 ITサービスを世界規模で展開するベンダーは,柔軟なサービス提供に向けて,オンデマンドで利用できる自社のオフショア・ネットワークをより活用するようになる。また,管理サービス,Software-as-a-Service(サービスとしてのソフトウエア),アプリケーション開発など,一般化されつつある技術については,低価格化が進む見通しだ。

 またIDCは,アウトソーシング分野におけるユーティリティ・コンピューティングやオンデマンド・サービスの登場が,ベンダー間の競争に拍車をかけると予測している。

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