ブラジルのConectiva,フランスのMandrakeSoft,米Progeny,ターボリナックス(本社:東京都渋谷区)は,Linux標準規格「Linux Standard Base(LSB)2.0」対応の共通コア・インプリメンテーション作成で協力体制を敷く。4社がそれぞれ現地時間時間11月17日に発表したもの。

 LSB 2.0は,オープンソース・ソフトウエアの標準化活動を推進する団体Free Standards Group(FSG)が策定した規格で,LinuxディストリビューションおよびLinux対応アプリケーションの互換性確保を目的としている。

 4社はコンソーシアム「Linux Core Consortium(LCC)」を立ち上げ,共通の開発フレームワークを通じて活動する。同コンソーシアムで開発および管理する共通コア・インプリメンテーションは,LCCメンバー各社が将来提供するLinuxディストリビューションの中核を成すものとする。

 主な内容は以下の通り。

・LSB Futures Groupと共同で策定した拡張規格を組み合わせたLSB 2.0インプリメンテーション
・Linuxの普及促進を目指す団体Open Source Development Lab(OSDL)が開発したガイドラインを含む
・当初の対応アーキテクチャはIA32,Intel EM64T,IA64,AMD64
・リリース・サイクルは18~24カ月

 いずれは,DebianやRPMベースの技術との相互操作性にも取りかかる意向である。4社によれば,LCCは,FSGやOSDLをはじめ,米Computer Associates,米Hewlett-Packard(HP),米Novell,米Red Hat,米Sun Microsystemsの支持を得ているという。4社以外のLinux関連企業やオープンソース開発者に対しても,同コンソーシアムへの参加を呼びかけている。

 「LCCメンバーはそれぞれ異なる地域や市場にプレゼンスを置き,コミュニティと強い関係を結んでいる。既存の標準規格に対応した共通のバイナリ・インプリメンテーション開発も行っている。これが,業界全体にわたる標準化の取り組みを盛り上げ,オープンな標準規格としてのLSBの位置づけを強固なものにするだろう」(4社)

 共通コア・インプリメンテーションは2005年第1四半期に利用可能とする。Conectiva社の「Enterprise Server」,Mandrakesoft社の「Corporate Server」,Progeny社の「Componentized Linux」,ターボリナックスの「Enterprise Server」に組み込む予定。

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