米Gartnerは米国時間11月15日,2004年の世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。2004年の出荷台数は,前年比11.4%増の1億8270万台になる見通し。同社は当初,2004年の伸び率を13%と予測していたが,これを引き下げる。「第3四半期における消費者向け分野の不振に加え,ホリデー・シーズンに同分野の需要が軟化することを考慮した」(同社)

 速報値によると,第4四半期のパソコン出荷台数は前年同期比10.1%増の5190万台になる見込みだ。「企業向け分野がけん引して2ケタ台の伸び率を達成する」(同社)。しかし消費者向け分野は,デジタル・エンターテインメント製品との厳しい競争にさらされ,需要が軟化するという。

 Gartner社主任アナリストのGeorge Shiffler氏は,「モバイル性を除けば,一般ユーザーを引きつける魅力的な機能がない。このことが,消費者の買い替え需要に大きな打撃を与えている」と指摘する。

 また,同社アナリストのKiyomi Yamada氏は次のように予測する。「大手パソコン・ベンダーの多くが,デジタル・エンターテインメント製品をホリデー・シーズン向けに提供している。消費者は新しいパソコンを買うより,これらのエンターテインメント製品を購入するだろう」(同氏)

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