米Microsoftは米国時間11月16日に,管理サーバーなどWindows Server System製品の新版リリースや新ツールについて明らかにした。システム管理ソフトウエアの新版「Microsoft Operations Manager(MOM)2005」を世界市場で利用可能とする。

 同社は,分散システムの設計,実装,運用の簡易化を目指す長期的構想「Dynamic Systems Initiative(DSI)」を掲げている。今回発表した製品や技術は,同構想において重要な役割を担うという。

 MOM 2005はアプリケーション管理作業の簡素化を支援する。導入用ウイザードと自動化タスクが付属しており,導入とセットアップが容易に行える。Webサービス用プロトコルを介してほかの管理システムと相互接続するためのフレームワークを備える。エージェントとサーバーが相互認証するといったセキュリティ機能を導入し,管理システムの誤操作を防止する。

 また,サーバー用仮想マシン・ソフトウエア「Microsoft Virtual Server 2005」も世界市場で利用可能。ソフトウエアのテストおよび導入,サーバーの統合,レガシー・アプリケーションの移行などを効率化できる。物理的サーバーからVirtual Server 2005を動作させた仮想サーバーに,OSや関連アプリケーションを効率的に移行するための「Microsoft Virtual Server 2005 Migration Toolkit」もあわせてリリースする。

 そのほか,今回発表した主な内容は以下の通り。

・Windows Server System製品の統合に役立つ詳細な情報を提供する「Windows Server System Common Engineering Report」。直ちに利用可能とする

・「Systems Management Server(SMS)2003」向けフューチャー・パック2種類。デバイス検出,ハードウエアおよびソフトウエア情報の収集,各デバイスへのソフトウエア・インストールを実行するための「SMS 2003 Device Management Feature Pack」と,Windows OSのデスクトップ・イメージを作成して自動設定するための「SMS 2003 Operating System Deployment Feature Pack」

・自動アップデート・サービス「Windows Update Services」の公開ベータ版。同社のWebサイトからダウンロード可能

・デスクトップ・パソコンの迅速な導入を支援する「Solution Accelerator Business Desktop Deployment」。実装ツールやベスト・プラクティスを組み合わせて提供する

・.NET対応の米Axalto製スマート・カード。「Visual Studio .NET」を使ってプログラムできる。米メディアの報道(CNET News.com)によると,Microsft社会長のBill Gates氏は「認証システムでの主要な問題は,パスワードの脆弱性だ。残念ながら,重要な情報を保護するのに,もうパスワードに頼ることはできなくなる。バイオメトリックやスマート・カードが代替手段になるだろう」と述べている

◎関連記事
米Microsoft,サーバー用仮想マシン・ソフト「Virtual Server 2005」を30日以内に提供開始
米Microsoftが製品構想と技術ロードマップを発表,「MOM 2005」が最終テスト段階に
米Dellと米Microsoft,サーバー管理ツールを共同開発へ
マイクロソフトの悩み映す「Virtual PC」,旧版OSユーザーへの訴求力は限定的
米Dell,サーバー/ストレージ製品と米VMWareの仮想マシン・ソフトをセット販売
米Intel,NEC,米Dell,米HPがサーバー管理インタフェース仕様の新版を公開
ITシステムを管理するためのWebサービス仕様「WS-Management」

[発表資料へ]