米Adobe Systemsは米国時間11月15日に,PDF処理ソフトウエア・ファミリの新版「Acrobat 7.0」を発表した。複数のソースをもとにしたドキュメント構成や統一フォームの作成,ファイアウオール内外におけるより安全なコラボレーション作業を可能にする。

 Acrobat 7.0ファミリでは,「Acrobat 7.0 Professional」「Acrobat 7.0 Standard」「Acrobat Elements」の3種類を用意する。

 Acrobat 7.0 Professionalは,ドキュメント設計に関するより高度な管理を提供する。CADや出版関連ソフトウエアを使用する技術的作業やクリエイティブなプロジェクトに向ける。無償のクライアント・ソフトウエア「Reader 7.0」を使って誰もがコメントを付けられるようにする機能を新たに追加した。Acrobat 7.0 Professionalでスキャン画像,スプレッドシート,プレゼンテーション,CADコンテンツなどから成るPDFファイルを作成し,Reader 7.0ユーザーがそれを閲覧して,レイアウトや校正にチェックを入れることができる。なお,Acrobat 7.0 Professionalは同社の統合デザイン環境「Creative Suite Premium 1.3」に組み込む。
 
 Acrobat 7.0 Standardは,さまざまな規模の企業ユーザーに向けに,電子メールやWebページ,日常的に使うアプリケーション・ファイルなどから重要な情報を効率的に検出,使用,管理するための手段を提供する。

 Acrobat Elementsは,企業向け大量ライセンスのみを対象とし,社内のすべてのデスクトップ上にAdobe PDF作成機能を追加できる。

 またAcrobat 7.0ファミリでは,企業向けドキュメント管理ソフトウエア「LiveCycle」との統合強化を図ったという。Acrobat 7.0 Professionalには,企業文書デザイン・ツール「LiveCycle Designer」が含まれ,高度なXMLおよびPDFファイルを作成できる。さらに,Acrobat 7.0 Professionalと同Standardは,企業向けドキュメント管理サーバー「LiveCycle Policy Server」との連携を高め,アクセス権の制御,認証,期限終了,取消といったPDFドキュメントに関するポリシーの適用や管理が可能。

 Acrobat 7.0 Professionalと同Standardは,「Windows 2000(Service Pack 2)」および「Windows XP Professional Edition」「同Home Edition」「同Tablet PC Edition」と,「Mac OS X v10.2.8」「同v10.3」に対応する。年内に英語版を出荷し,2005年初旬にフランス語,ドイツ語,日本語版をリリースする。Acrobat 7.0 Professionalの小売り希望価格は449ドルで,「Acrobat 4.0」「同5.0」「同6.0 Standard」「同6.0 Professional」ユーザーに対するアップグレード価格は159ドル。Acrobat 7.0 Standardの小売り希望価格は299ドルで,Acrobat 4.0,同5.0,同6.0 Standardのユーザーに対するアップグレード価格は99ドル。

 Acrobat Elementsは,「Windows 98 Second Edition」「Windows Me」「Windows NT 4.0(Service Pack 6)」およびWindows 2000,Windows XPに対応し,英語,フランス語,ドイツ語,日本語版が利用可能。同社の「Open Options」ライセンシング・プログラムを通じてのみ提供する。1000シート・ライセンスの場合,1シート当たり39ドルから。

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