松下電器産業の米国法人Panasonic Computer Solutions Companyが,警察や国防組織向けのデジタル・ビデオ・システム「Toughbook Arbitrator」を米国時間11月12日に発表した。映像をメモリーに記録するため振動に強く車載が可能で,丈夫な防滴ケースに格納してある。

 Toughbook Arbitratorは,リアルタイムMPEG-4圧縮した映像を取り外し可能なP2メモリー・カードに保存する。記憶容量4GバイトのP2カードを使用すると,放送画質の映像を毎秒30フレームで16時間記録できる。IEEE802.11gに対応しており,16時間の映像を30分で別のシステムに無線転送可能。Ethernetによる通信も行える。Panasonic Computer Solutions社は,最大512時間の映像を保存できる大容量P2カードの提供も予定している。

 映像の検索を容易にするため,タグを自動または手動で付加する機能も備える。タグとしては,撮影者ID,車両ID,時刻,日付,GPSによる位置情報,レーダー・システムの出力などが使える。

 カメラは220倍ズーム・レンズを備え,カラー撮影のほか,赤外線を使った暗視撮影も可能。無指向性の無線マイクと車内用マイクを備える。ビデオ・バッファにより,録画開始前または終了後でも最大180秒分の映像を追加記録できる。

 録画モジュールは耐振動/防滴構造。P2カードは熱,衝撃,振動に耐える設計という。10万回の書き換えが可能で,3万回の抜き差しを保証している。

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