米Intelの役員会は,同社の次期CEOに,現社長兼COO(最高執行責任者)のPaul S. Otellini氏(54才)を選出した。Intel社が米国時間11月11日に明らかにしたもの。同氏は2005年5月18日の株主総会より,現CEOのCraig R. Barrett氏(65才)の後任に就く。

 Barrett氏はCEO職を退任後,同社役員会会長に就任する。現役員会会長のAndrew S. Grove氏(68才)は役員会を退くが,特別顧問として役員会に関わる。

 「Barrett氏とOtellini氏の人事は,当社にとってまさに時宜を得たものだ。両者が舵取りにあたるということは,この上もない幸運だ」(Grove氏)

 Otellini氏は,1974年に入社,2002年1月から現職を務めている。1990年にマイクロプロセサ事業のジェネラル・マネージャに就任。1992~1998年は販売およびマーケティング担当執行バイス・プレジデントとして,新興市場への同社のプレゼンス拡大と,世界市場における電子商取引の発展と普及に取り組んだ。1998~2002年は,Intel Architecture Group担当執行バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャを務め,マイクロプロセサとチップセット事業を指揮するとともに,企業,モバイル,デスクトップ・コンピューティング関連のすべての事業を監督した。

 米メディア(CNET News.com)は,来年あたり,Intel社の製品と経営が大きな転換期を迎えるだろうと報じている。Intel社は2005年に数々の新製品を投入する予定だ。同社はすでに,プロセサ速度よりも全体的な性能向上に焦点を当てる方針へと移行を図っており,来年は全面的なデュアルコア化も進める。なおOtellini氏は「私がCEOに就任してもIntel社とその文化が大きく変わることはない」と述べている。「当社のCEO交代は,Robert Noyce氏からGordon Moore氏へ,そしてGrove氏,Barrett氏へと極めてスムーズに行われてきた。これまでも,そしてこれからも,Intelは常にIntelだ」(同氏)

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