ドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USAは,無線ブロードバンドの業界団体Wireless Broadband Alliance(WBA)に加入する世界の大手無線通信事業者の6社とローミング契約を締結した。同社が米国時間11月10日に発表した。

 T-Mobile USA社のサービス加入者は,WBAに参加する他のメンバーの国でもWi-Fiサービスが利用できるようになった。既存のローミング契約に加え,加入者は,英国,ドイツ,オーストリア,オランダ,イタリア,チェコ共和国,日本,マレーシア,シンガポール,オーストラリア,米国における1万1500カ所でWi-Fiサービスが利用できるようになる。

 今回ローミング契約を締結したWBAメンバーは,英BT Group,イタリアのTelecom Italia,マレーシアのMaxis,日本のNTTコミュニケーション,シンガポールのStarHub,オーストラリアのTelstraの6社。T-Mobile USA社は, T-Mobileのオーストリア,チェコ共和国,ドイツ,オランダ,英国の法人の所有するWi-Fiネットワークに関しては,すでにローミング契約を締結している。同社は,欧州とアジアのその他の国際的な通信事業者とのローミング契約の獲得を見込んでおり,T-Mobile HotSpotの加入者は,1つのWi-Fiアカウントでさらに広いエリアにおいてWi-Fiサービスが利用できるようになるという。

 「わが社の顧客は,平均して1年に3回以上海外旅行をしている。この歴史的なローミング契約により,馴染みのあるT-Mobile HotSpotアカウントを使って国外でもインターネット接続が可能になる。また,契約に加わったWBAの通信事業者のWi-Fiユーザーは,米国内で5000カ所を超えるT-Mobile HotSpotが利用できるようになる」(T-Mobile HotSpot副社長兼ジェネラル・マネージャのJoe Sims氏)

 WBAは,2003年に設立され,Wi-Fi/WLANサービス・コラボレーションを行なっている。無線ブロードバンド加入者のために,グローバルなサービス提供範囲,品質,信頼性,モビリティの向上に注力している。

 T-Mobile HotSpot USの加入者は,2004年末まで追加料金無しで国際的なローミング・サービスが利用できる。2005年以降の国際ローミングの料金は後日発表される。

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