米Infonet Servicesは,英British Telecom(BT)Group plcに合併されることで最終的な合意に達した。同社が米国時間11月8日に発表した。買収価格は,およそ9億6500万ドルになると見込まれる。買収手続きは2005年前半に完了する予定。BT社は,ネットワーク・サービスを手がける同社の買収により,コスト削減と北米とアジア太平洋地域における事業の拡大を狙う。両社の取締役会は取り引きを承認しており,Infonet社の取締役会特別委員会は,株主に対して合併承認を推奨している。

 米カリフォルニア州に拠点を置くInfonet社は,70カ国にオフィスを構えており,180カ国にネットワーク・アクセスを提供している。両社で交わされた契約により,Infonet社の株主は,1株あたり2.06ドルの現金を受け取とる。総額は9億6500万ドルになると予想される。Infonetの現金残高3億9000万ドルを除外すると,買収金額は5億7500万ドル相当となる。BT社は,買収後1年間は,キャッシュフローに影響はないが,それ以降にプラス効果が現れると予測している。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,BT社は,現在の回線交換ベースのネットワーク市場における地位を捨て,2009年までにIPベースのネットワーク・サービスのプロバイダになることを計画している。同社は公衆交換電話網からIP設定への移行を2007年に予定している。

 同社は,2006年に各地でユーザーの移行を開始し,2008年に大半の切り替えを完了を予定している。5年にわたって,事業とコスト基盤の変換を図り,既存の異なる複数のサービス専用ネットワーク間における重複を取り除き,単一のマルチサービス・ネットワークを構築する計画を進行させている。

 BT社グローバル・サービスCEOのAndy Green氏は「Infonet社は,BT社に専門的な技術,大規模な顧客ベースをもたらし,買収により世界的なリーチを拡張するとともにローカルのプレゼンスの強化が可能になるだろう」とコメントしている。

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