日米欧の大手コンピュータ企業/通信会社で組織する業界団体Computer & Communications Industry Association(CCIA)と米Microsoftは,Microsoft社に対する独占禁止法違反訴訟で和解に達したことを,米国時間11月8日に発表した。和解総額については明らかにしていない。

 今回の和解について,CCIAとMicrosoft社は「IT業界全体にわたる重要な共通の利益を生み出すには,公的ポリシーの問題に目を向けるべきだと認識したため」としている。「業界内の協力は,係争関係によって阻まれてきた」(Microsoft社)

 和解条件のもと,Microsoft社はCCIAに加入する。一部の訴訟関連費用を負担するほか,CCIA主導で進めているポリシー策定を支援する。

 一方CCIAは,対Microsoft社の独占禁止法違反訴訟で,最高裁への移送命令請求(certiorari)を提出しないこと,Microsoft社がECの制裁措置を不服として申し立てた控訴審に関与しないことでも合意した。また,Microsoft社の「Windows XP」が欧州の独占禁止法に違反しているとして,2003年2月に起こした訴訟も取り下げる。

 ちなみにMicrosoft社は,米Novellとの和解についても同日発表している。Microsoft社はNovell社に5億3600万ドルを支払い,Novell社は「NetWare」をはじめとするすべての製品および事業に関する訴訟を取り下げる。ただし,Novell社が90年代半ばに所有していたワープロ・ソフトウエア「WordPerfect」事業に関しては,係争が続く。

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