ソフトウエア権利保護団体のBusiness Software Alliance(BSA)は英国時間11月5日に,英国企業のソフトウエア不正利用を通報した人物に支払う報奨金の上限を,2倍に引き上げると発表した。

 BSAは,不正なソフトウエア利用が見つかった場合,それを通報した人物に,回収されたソフトウエアの価値の10%を報奨金として支払っている。1万ポンドを上限としていたが,これを年内いっぱい2万ポンドにする。

 通報は,BSAのWebサイトで受け付けており,「匿名で通報できる」(BSA)。BSAによれば,これまで企業のソフトウエア不正利用を連絡してきた者は,その企業のIT部門の現社員または元社員である場合が多いという。

 英国ではいずれの規模の企業でも,故意であれ偶然であれ,ソフトウエアの不正利用が増えている。ソフトウエアがオンラインで入手できることに加え,ソフトウエア販売のスパム・メールが激増していることから,だれでも簡単に不正ソフトウエアを購入またはダウンロードできるようになっている。「ソフトウエアの不正利用と,それに関連する脅威を追跡するのは,ますます困難になっており,英国企業の成長に大きな影響を与える」(BSA)

 米IDCが2004年6月に発表した調査によると,英国で使われているソフトウエアの29%が違法にあたる。同社が行った別の調査では,偽造ソフトウエアを10%削減すると,英国の国内総生産が100億ポンド上昇し,税収が25億ポンド増え,IT雇用が4万人拡大する計算になるという。

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