米Qwest Communications Internationalは,2004年第3四半期の決算を米国時間11月4日に発表した。売上高は34億3000万ドルで,前期からは0.2%の増収,前年同期からは3.4%の減少となった。純損失は5億6900万ドル(希薄化後の1株当たり損失は31セント)で,前年同期の7億7600万ドル(同43セント)から赤字が軽減した。

 同期は,長距離サービス,DSL,無線部門といった主要部門において売り上げ増加を達成した。利益率が拡大し,経営からのキャッシュフローが増加した。同社によれば,バンドリングとUNE-P規制による競争の軽減で顧客の回復率が高まり,解約率が低下したという。

 事業部門別でみると,有線部門の売上高は前期から0.2%増の33億ドルで,前年同期からは2.9%の減少となった。同部門において,消費者,企業,卸し売り顧客チャネルで売り上げ上昇の傾向がみられた。

 無線部門の売上高は前期から3.1%増の1億3200万ドルを達成したが,前年同期からは13.2%の減少となった。同部門は,Sprintネットワークへの移行に関連して解約が増加し,加入者数は4.4%減少して77万8000人となった。しかし,同社によれば,新しく提供を開始した無線データ・サービスやインターネット接続,カメラ付き携帯機能といった機能の需要が高まっている。新規加入者の80%はハイエンドのパッケージで契約しているという。同社は,第4四半期にプッシュ・ツー・トーク,ビデオ・メールを含む新しいサービスと機能の提供開始を予定している。

 同期におけるDSLサービスの新規加入者は10万2000人で,総加入者数は95万6000人となった。同社は,2004年末に加入者数が約100万人を達成すると見込んでいる。長距離サービスの売上高は前期から11%増加した。新規加入者数は33万9000人で,回線総数は前年の170万回線から440万回線に増加した。

 また,同期は米DIRECTVと戦略的提携関係に入った。Qwest社はDIRECTV社の衛星TVサービスを米国西部地方の世帯に提供可能になる。2005年第1四半期から同サービスの提供を開始する。

 ちなみに,同社は,米Verizon WirelessにPCS周波数免許とネットワーク資産を4億1800万ドルで売却することで,合意に達している。当局の承認を得たのち,2004年末~2005年初頭に手続きが完了する予定。

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