米Computer Associates International(CA)は米国時間11月1日に,リレーショナル・データベース「Ingres r3」のLinuxおよびWindows対応版を一般向けに無償提供することを明らかにした。登録ユーザーは,CA社のオープンソース・ライセンス「CA Trusted Open Source License(CATOSL)」のもと,同社Webサイトからダウンロード入手可能。

 ソフトウエア開発者は,自身の製品にIngres r3を組み込み,Ingresのソース・コードがCATOSLに則している限り,無償で配布することができる。

 CA社は,Ingres r3向け技術開発促進を目的として,2004年8月にIngres r3をオープンソース・コミュニティに公開している(関連記事)。ミッションクリティカルなビジネス運用に向けた同ソフトウエアは,高度な並列クエリー処理に対応した連携データベース・サポートやピア・ツー・ピア複製といった機能を備えながら,容量は約100Mバイトと軽量で,サードパーティ製アプリケーションとの統合が容易という。

 またCA社は,免責保証などを含むエンタープライズ・クラスのIngres r3向けサポート・パッケージや,オンサイトまたはリモートの学習コースおよびサービスを提供する。登録ユーザーはCA社の参照テクニカル・マニュアルやFAQにアクセスしたり,フォーラムやメーリング・リストに参加したりできる。米メディアの報道(CNET News.com)によると,同社は4種類の有償サポート・パッケージを用意している。

 Ingres r3は,2005年初頭までに,32ビットおよび64ビットの「Solaris」「HP/UX」「IBM AIX」をはじめ,「HP Tru64」と「HP OpenVMS」に対応する予定。フランス語,ドイツ語,日本語バージョンと翻訳ツールキットは,年内に利用可能とする。

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