米Robert Half Technologyは米国時間10月28日に,ITプロフェッショナルの給与に関する調査結果を発表した。それによると,2005年に全体的なIT労働者の初任給は前年比0.5%増加する見込みで,情報セキュリティや品質保証などの専門分野ではこれを上回る上昇率となる。ちなみに同社が昨年予測した2004年におけるIT初任給の変動率は1.6%減だった。

 2005年に最も初任給が増加する職種はシステム監査員で,年間の基本給は前年比5.1%増の6万3250~8万1750ドルとなる。「企業は,ハードウエアやソフトウエアのアップグレードを実行する前に,既存システムの査定を行うためにシステム監査員を必要としている。米企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)や金融サービス近代化法(Gramm-Leach-Bliley)への準拠義務なども,こうした専門職の需要に拍車をかけている」(Robert Half Technology社執行ディレクタのKatherine Spencer Lee氏)

 そのほか,主な職種の初任給の変動予測は以下の通り。

・Pre-SalesおよびPost-Salesコンサルタント:前年比3.9%増の5万3500~7万8250ドル
・プログラマ/アナリスト:前年比3.6%増の5万2500~8万3250ドル
・品質保証/テスト管理者:前年比2.2%増の6万4750~8万6750ドル
・ネットワーク・セキュリティ管理者:前年比2.3%増の6万3750~9万500ドル
・ビジネス・システム・アナリスト:前年比1.9%増の5万6000~8万500ドル
・インターネット/イントラネット管理者:前年比1.2%減の4万8250~7万750ドル
・デスクトップ・サポート・アナリスト:前年比3.8%減の4万4500~6万3250ドル

 金融サービス,不動産,ビジネス・サービスなどの業界では,特にIT労働者に対する需要が高まる。ただし,雇用が拡大するかどうかは,地域によって異なる。

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