英ARMとオランダRoyal Philips ElectronicsのHandshake Solutionsは,プロセサの共同開発とマーケティングで提携関係に入った。両社が現地時間10月27日に発表した。提携により,ARM社のプロセサにHandshake Solutionsの低電力,セルフタイム技術が採用される。同技術は,干渉を軽減させるために電磁エミッションを押さえる必要があるアプリケーションに適しているという。

 同社によれば,新しいARMプロセサは,ARMv5TEアーキテクチャに準拠し,同期,非同期システム・オン・チップ設計の両方に向けて最適化される。そのため,半導体メーカーは容易に統合できるようになる。

 同プロセサは,Handshake Solutionsのクロックレス技術を採用することにより,電磁エミッションにより電流スパイクが発生しないという。そのため,電気回線との干渉の可能性の低下,ピーク電源の低下,システム所要電源の削減などが実現可能となる。また,非同期プロセサは,実行中のアクティビティがないときに電源を消費しないため,バッテリを利用できる時間を延ばすことができるという。

 両社の提携による新しいプロセサは,ライセンス可能なコアとしてARM社から2005年第1四半期に提供される。同年後半に市場にリリースされると予想される。同コアは,非同期チップの設計を可能にするHandshake Solutionsの設計ツールによってサポートされる。

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